「フリー麻雀で食う超実践打法」の感想
増税
10月に入り、ついに消費税が上がってしまった。増税を揶揄したツイートがやや伸び、「増税」の話題性に驚いた。
消費税率の変更により、30符4飜は一律に7700点から8000点に引き上げられました。
— こーか (@mjtennis3) September 30, 2019
これを機にフォロワーや読者が増えれば幸いである。
さて、最近雀荘でのリーチ判断や鳴き判断などに迷うことが多くなった。「迷える」ようになったことも成長の内と信じたいが、迷った時の基準となる本が欲しい......。そう思い、「純黒ピン東メンバーが教える フリー麻雀で食う超実践打法」という本を購入した。
フリー麻雀で食う超実践打法
この本のコンセプトはズバリ「雀荘で勝てる打ち方」である。基本的なことから応用的なことまで、雀荘で勝つためのテクニックが数多く収録されている。迷いがち、間違えがちな選択についても理由とともに答えが明示されており、初心者~中級者に特に役に立つと感じた。非常にお勧めの麻雀戦術本であるため、色々と紹介しようと思う。
雀ゴロK
麻雀だけで食ってゆく......麻雀を打つものなら誰しも一度は夢見るものである。この本の著者である喜多龍司さん、通称「雀ゴロK」さんは、それを実践している偉人の一人である。雀ゴロKさん自身のtwitterによると、
喜多龍司@麻雀Bucks (@janngoroK) | Twitter
とある。自らの麻雀力一本で雀荘開業資金を貯める。雀ゴロの鑑ではないか。
また、「note」にて記事の投稿も行ってる。
スリリングなタイトルばかりで興味を惹かれる。こちらも覗いてみてはいかがだろうか。
戦術
戦術について、非常に大切となる基礎の基礎の部分を紹介しよう。
赤ドラの見切り
フリールールでは基本的に赤に祝儀がつくため、赤牌の扱いが重要になる。逆に言えば赤牌に気を取られすぎて、せっかくの手牌を壊してしまう場合もあるのだ。例えば下図のような手になったとしよう。5萬がドラのイーシャンテンである。
この本を執筆当時のKさんの主戦場はピン東の一枚500、ややもすると4s当たりを切ってシャンテンを落とし、赤を使い切りたくなるような手牌構成である。しかしKさんはこれを否定する。
赤牌周りの3~7を引いてくるには、単純計算で6~7巡必要となる。浮き牌の赤を無理に活用しようとすると、スピードがかなり落ちてしまうのだ。自分も赤牌を無理やり使おうとしてアガリを逃してしまったことは何度もある。赤牌を切るのは勇気のいることではあるが、「凧と麻雀アガってなんぼ」という言葉通り、赤牌にとらわれずきっちりアガリを目指すことが大事なのだ。
リーチの強さ
一般的な雀荘では、一発と裏に祝儀がつく。ただでさえ麻雀はリーチが強いのに、フリールールではなおさらである。よく、先手の愚形リーチを打つのをためらってしまう人がいる。リーチを打つ時は良形でありたいというのはよくわかる。しかしそれでも、先述した通り手替わりを待つことはほとんどの場合損となる。例えば下のような手牌を考えてみよう。
ドラは北で、中以外役の無い愚形聴牌である。たまに、カン2萬の待ちを嫌い、4萬を引いて両面になるのを望んで数巡リーチを躊躇してしまう人がいる。しかし、その4萬一種類を引く確率は非常に低い。牌は34種類もあるのだ。両面への振り替わりを逃すよりも、リーチによる打点上昇を逃す方が痛い。
鉄火場日記
麻雀の戦術についても当然面白いのだが、随所に「鉄火場日記」などのコラムがあり、これがまた興味深い。内容はタイトル通り、高レートの場での実体験である。たった一日で100万以上負けるなどと言う非日常的な勝負の緊迫感がリアルに描かれている。読んでいるだけでこちらも辛くなるようなエピソードもあり、勝負をするとはどういうことなのかを再考させられる。
好きなエピソードは、買った日の話だ。ある日Kさんはツキも手伝い、数十万の快勝を遂げる。普通なら自分へのご褒美とある程度散財してもおかしくない。しかしKさんはラーメン屋で2000円使うことをご褒美とし、その日を終える。数十万買った男が、たった2000円の浪費で我慢する......麻雀の勝ちで店を持つという覚悟がうかがい知れる章である。
総評
上に挙げた例の戦術は、「麻雀強者」からすれば当たり前のことなのかもしれない。しかし、麻雀を打つ大多数の人間は当たり前の戦術を当たり前には行えないものである。自分も赤牌を無駄に引っ張って結局それで聴牌すらできなかったり、愚形リーチに腰が引けて本来の一発ツモを逃したことが何度もある。当然のことを当然のように行えるようになるまで、このような優れた戦術本を何度も繰り返し読むべきである。
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