近代麻雀2019年12月号
近代麻雀
近代麻雀12月号が発売された。今回の見どころについて書いていこうと思う。
押し引きの基本戦術
表紙をめくるといつも通りの戦術コラム。今回は「押し引き」に標準を当てた解説だ。非常に簡易化すると、相手のリーチ時にこちらが聴牌であれば押し、2シャンテン以下ならオリる、というのがこのコラムの趣旨だ。
ここまでは割と皆同じような発想になると思われるが、面白いのは1シャンテンの時の押し引きである。本コラムでは残る形を点数で評価し、押し引きを「計算」している。
麻雀は押し引きが非常に重要となるゲームなので、このコラムは大いに参考になった。
闇麻のマミヤ
闇麻のマミヤも5話に突入した。ようやく、主人公たるマミヤが勝負の場に到着!
だが持ち点は6400点、遅れてきた代償とはいえかなり厳しいスタートとなってしまう。さあどんな麻雀が......と思いきや、まだ卓に着かない。負けた時に払う金についてのゴタゴタがある模様。怒る相手にマミヤが驚愕の言葉を放つ......。福本作品あるある「交渉に時間をかける」、間延びという人もいるだろうが、個人的にこれはこれでリアリティのある緊迫感が描けていいと思う。
一八先生
「パロディが過ぎるため単行本化されない」と話題の一八先生第60話。今回は「北斗の拳」のパロディである。
中身を見る前に煽り文で笑ってしまった。
話題になってほしい!
でもなりすぎたら困る...。
お金はない、でも下げる頭は山ほどある...。
そりゃそうだ。話題になりすぎたら権利者からクレームがつく可能性が高くなる。パロディ漫画は読む分には面白いが、書く分には権利問題が微妙だ。近代麻雀で一番好きな漫画と言っても過言ではないので、連載中止にならないでほしい。
麻雀勝ち確システム
さて、今回驚いた戦術が載っていたのが、付録の「麻雀勝ち確システム」である。著者は山越貴広(やまこしたかひろ)さん、アマチュアながら、今年オーストラリアで行われた世界大会で3位になったという実力がある。
驚いた戦術とは、「山越リーチ」である。
ピンフ手を狙いに行って両面が二つ残り、先に両面をツモって単騎待ちになってしまうことはたまにある。ピンフ手なので連続系は多く、普通ならばダマにしてノベタンなどへの手替わりを待つ。しかし山越さんはここでリーチ。これが「山越リーチ」である。
このリーチのメリットとして、「1巡でも早く」リーチによって相手に好きに打たせなくさせることと、放銃したときに相手のメンタルを揺さぶることができることが挙げられている。あの手で2萬待ちをしてくる相手に、どう手牌読みしろと言うのか?
また、待ちは確かに少ないものの、チートイツと同じと思えばそれほど異常に少ないとは言えない。このリーチを打つのに色々と条件はあるだろうが、この「山越リーチ」は非常に面白い戦術である。