大学生麻雀雑記

麻雀好きな大学生が色々と書いていきます

「麻雀の失敗学」を読んだ感想

 

息抜き

 煩雑な課題の合間をぬって天鳳を打つ。が、最近ラス引きが続く。10半荘打ってラスが5回……息抜きのはずが、確実に胃を痛めてくる。現在5段なので5ラスは‐525ポイント分、怖いので右上のポイント表示は見ないようにしている。

麻雀の失敗学

 さて、最新の近代麻雀(2019年8月号)でも宣伝されているが、朝倉選手(通称ASAPIN選手)が先日、「麻雀の失敗学」という戦術本を出版された。朝倉選手と言えば初代・11代天鳳位であり、現在最高位線日本プロ麻雀協会に所属している天才雀士である。

 

麻雀の失敗学 (近代麻雀戦術シリーズ)

 この本のコンセプトは、麻雀の競技性を「ミスのより少ないない者が勝つ」とし、減点方式で自らの打牌を見つめなおし研鑽することだ。この本を読み、「非常に細かいところまで徹底的に考えられている」と感じた。

 それを象徴する章が第4章である。朝倉選手はMリーグ初戦第一局、親で以下のようなピンフのドラドラ手を聴牌する。

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もちろん先手の鉄リーチである。だが、この局は残念ながら流局してしまう。普通であれば、「このリーチはミスでは無い、運がなかった」と流すところである。この場合、統計的には聴牌時に即リーチを掛けることが最も正しい。古いセオリーでは、「東一局だからダマ」という打ち方もあっただろう。しかし、この手を上がれなかった朝倉選手は第三の道を取れなかったかと猛省する。「一巡待ってのツモ切りリーチ」である。

 通常ツモ切りリーチはである。聴牌してもリーチを掛けない場合は主に二つ、待ちが悪いか打点が十分に高いかだ。前者の場合、主な手替わりがない状態で一巡回すのは、「リーチを掛けたアガリ」を一巡放棄することである。これが収支にマイナスの影響を与える。

 だが、これを逆手に取った戦法も稀に見られる。ツモ切りリーチをしたことで愚形待ちと思わせるのである。つまり、押しやすくさせるのだ。攻めて良形に振り込んだ他家はたまったものではない。この心理的効果を朝倉選手は考察したのである。

 これはあくまで結果論であるが、中巡に二階堂選手がドラドラの手をカン7筒待ちで聴牌した後、1萬をツモってきた。もし攻め気が生まれていれば、追っかけリーチを打った後この1萬で放銃またはダマの聴牌どりで刺さっていた可能性が高い。

 ここまで書いたが、自分はおそらくこれからも上記の手では100%即リーチを打つだろう。なぜなら、この戦法はほぼプロレベルでしか成立しないと思われるからだ。自分が感銘を受けたのは、「上記の手を即リーチして上がれなかったことを反省対象とした」ことである。「このメンツで、即リーが本当に正しいのか?」と自問することは、第4章の表題「常識を身につけ、常識を疑え。」の通り麻雀の戦略の可能性を広げる見事な発想である。