【体験】アリス麻雀を打ってみた
漫画
自分は、「むこうぶち」などの麻雀漫画が大好きである。その中には中国麻雀や台湾麻雀、祝儀の形態が特殊な麻雀や役の縛り麻雀など様々な形態の麻雀が登場する。その中でも「アリス麻雀」にひときわ興味を惹かれた。
アリス麻雀
アリス麻雀とは「アリス」という祝儀がつく麻雀のことで、前述のブログに詳しい。簡単に言えば、門前アガリの時にカンドラの部分を捲り、手牌にその牌があれば祝儀というルールだ。（2枚、3枚と乗り続けることもある）
普段は一発赤裏で打っているのだが、たまには違った感じの麻雀も打ってみたいということでいつもの麻雀仲間に声をかけてみた。2つ返事でOKであった。
さて面子は集まったものの、相場がよくわからない。アリスがどれくらいの頻度で発生するのか、また重さはどれくらいなのかが分からないからだ。とりあえず荒れすぎるのを防ぐために祝儀はアリスのみ、祝儀の比率は5の店と同じに設定した。こうした設定を決めるだけですでに興奮状態である。「むこうぶち」作中での麻雀を実際に打てるのだ。
実践
かくしてアリス麻雀は始まった。「門前でアガればアリス発生」としたので、皆かなり門前を意識して打っていた。東1局、南家の友人Aからリーチがかかる。（ついに来たか......！）と自分も含め皆ガードが固くなる。結果はワンチャンスの9索で友人Bから3900点の出アガリ、そして待望のアリス。「行きまーす！！」と元気よくドラ表示牌の隣をつまみ、ツモの要領で卓に叩きつけたA......結果は乗らず。まあ東発だしそんなもんかと少し落胆しながらも、まだ見ぬアリスに期待しながら局を進めた。
東2局、3局と副露が入り、アリスが発生しないまま局が進んでゆく。そして東4局、親のBから4巡目くらいの早いリーチがかかる。そんなもんわからんわいと打った1筒がまさかの一発、12000の放銃をしてしまう。
裏ドラは乗らず安堵......いや安心できる点数ではない、一気にラスまで転落だ。「次は乗ってくれよ」とばかりに人差し指でカチリと牌をめくるB、そこにはなんと暗刻使いの4索が！この時、我々は完全に勘違いをしていて、「アリスが3枚乗った！」と騒いでいたのである。しかしこれはアリスであり、裏ドラとは異なる。3枚使いの牌を奇跡的に引いても、乗るのは1枚だけなのである。冷静になった誰かが気づき、Bがもう1枚捲る。乗らない。
この辺りで皆薄々気が付いてくる（アリスってあんまり乗らないのでは……？）。確かにアリスが乗ればプラスになるのだが、それを狙うためにわざわざ鳴く手を門前で構えるメリットは余り見られない。いつしか、場は普通の麻雀へと化して行った……。
1番アリスが動いたのが2半荘目の東3局、自分が親番の時である。10巡目くらいに下のようなチートイツの聴牌を果たすも、待ちが悪い。
とりあえず聴牌にとって単騎を探すかと思った次のツモは6p、望外のアガリである。さてアリス……と期待せずにめくった1枚目は2s、この時点で1枚オールで大喜び。次のアリスもなんと2s。さっきの4枚目といい偏り過ぎでは？かくしてアリス2枚オールとなり、計6枚のチップを手にしたのである。
4半荘打って順位は3-1-2-4、チップ2枚浮きであった。
アリスの確率
意外と乗らなかったアリス、確率はどれくらいなのだろうか？ザル計算で大体の値を出してみよう。平和手の時、手牌は最大13種類。対して全ての牌は34種類。裏ドラが乗る確率はおおよそ13/34=0.382...
対してアリスは「同じ牌」が出る確率なので、これに3/4をかけて(13/34)*(3/4)=0.286...これがアリスが1枚乗る確率である。2枚以上の場合はこの値を累乗してゆけばよいので、2枚乗りは0.0817...。3枚乗りは0.0234...。
細いところは無視した計算なので誤差は出るだろうが、アリスが1枚乗る確率はMAX3割、2枚乗る確率は1割未満と考えれば大きく外れない。この数字が大きいか小さいかは人によって感じ方は違うだろうが、「同じ牌を引く」という特性上アリスはどうしても裏ドラよりも乗りづらい。既に手牌で1枚以上使っているからだ。
また、裏ドラと違い「一気に2枚以上乗る」ということがルールの決め上起こりえない。連続して乗せざるをえないというのも、アリスの難易度を上げている。
まとめ
アリスは思ったより乗らない。祝儀麻雀を楽しみたければ、祝儀1枚当たりの勝ちを高くするか、一発裏や赤なども祝儀対象にするのが吉だろう。アリス麻雀を打つにあたって特に事前準備も要らないので、一度試してみてはどうだろうか。
